2026/08/22

「最近、目がかすむ・まぶしい・ものがぼやけて見える」そんな変化を感じて眼科を受診したとき、「白内障の検査って、どんなことをするんだろう?」と不安に思う方は少なくありません。
結論からお伝えすると、白内障の診断には視力検査だけでなく、細隙灯顕微鏡検査・眼圧検査・OCT(光干渉断層計)など、複数の検査を組み合わせることが重要です。それぞれの検査が異なる情報を提供するため、一つの検査だけでは白内障の程度や手術の適応を正確に判断することはできません。
この記事では、白内障の検査で実際に何を調べているのか、なぜ視力検査だけでは不十分なのかを、検査の種類ごとにわかりやすく解説します。広島県東広島市西条岡町にあるつまもと眼科での診療経験をもとに、患者さんが受診前に知っておくと安心できる情報をまとめました。
- ✅ 白内障の診断で行う検査の種類と目的
- ✅ 視力検査だけでは分からない診断のポイント
- ✅ 手術を検討するときに必要な追加検査の内容
- ▸ 「視力が落ちた=白内障」とは限らない?目の症状で感じる疑問や不安
- ◦ 白内障の症状はどんなもの?「老眼と違う」と気づくために
- ◦ 「視力が0.5あるから大丈夫」という誤解
- ▸ 白内障の検査では何を調べる?各検査の目的を解説
- ◦ 検査の全体像:なぜこんなに種類があるのか
- ◦ OCT(光干渉断層計)・眼底検査で網膜の状態を調べる
- ▸ 手術を検討するときに必要な追加検査とは?
- ◦ 眼軸長・角膜曲率測定:眼内レンズの度数を決める計算の基礎
- ◦ コントラスト感度・グレアテスト:視力以外の「見え方の質」を調べる
- ◦ 単焦点・多焦点眼内レンズの違いと選択に必要な評価
- ▸ 白内障の治療の流れ:検査から手術・術後まで
- ◦ 初診から手術決定までの一般的なステップ
- ◦ 日帰り手術の仕組みとその後の通院について
- ▸ 白内障の検査・治療に対するつまもと眼科のこだわり
- ▸ 白内障の検査・治療についてよくある質問
- ◦ 📋 この記事のまとめ
- ◦ 目の見え方が気になったら、まずはご相談ください
「視力が落ちた=白内障」とは限らない?目の症状で感じる疑問や不安
白内障の症状はどんなもの?「老眼と違う」と気づくために
白内障は、目の中にある水晶体が濁ることで起こる病気です。水晶体はカメラでいうレンズの役割を果たしており、濁りが進むと光がうまく通らず、ものがぼやけたりかすんで見えたりするようになります。
代表的な症状としては、視力の低下のほかに「まぶしさを強く感じる」「光の周りに輪がかかって見える(ハロー・グレア)」「昼間より夜間や暗い場所で見えにくい」「単眼で二重・三重に見える」などがあります。こうした症状は老眼と混同されることも多く、「年齢のせいかな」と思ってそのまま放置してしまう方も少なくありません。
ただし、これらの症状がすべて白内障によるものとは限りません。緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症など、ほかの目の病気でも似たような症状が出ることがあるため、正確な診断のために複数の検査を組み合わせることが大切です。
「視力が0.5あるから大丈夫」という誤解
よくある誤解の一つが、「矯正視力がある程度出ているから白内障ではないはず」という考え方です。しかし実際には、水晶体の濁りが部分的な場合、視力表での測定だけでは問題が見落とされることがあります。たとえばグレア(光のまぶしさ)や色調の変化は、視力検査の数値には反映されないことが多いのです。
一方で、視力が低下していても、その原因が白内障ではなく網膜疾患や角膜異常である場合もあります。これが「視力検査だけでは白内障の診断は不十分」と言われる大きな理由です。担当医による細かな検査と総合的な判断が欠かせません。
白内障の検査では何を調べる?各検査の目的を解説
検査の全体像:なぜこんなに種類があるのか
白内障の診断・治療方針の決定には、目のさまざまな部位と機能を段階的に調べる必要があります。白内障があっても手術後に視力が改善するかどうかは、網膜や視神経の状態にも大きく左右されるため、水晶体の濁りだけを調べればよいわけではありません。
以下では、眼科で行われる代表的な検査を一つひとつ解説します。
視力検査では、裸眼視力と矯正視力(メガネやコンタクトレンズを使った場合の視力)の両方を測定します。また屈折検査では、目のピントが合う焦点距離や近視・遠視・乱視の程度を調べます。
これらは白内障診断の入口となる検査ですが、視力の低下がどの原因によるものかを特定するためには、この後の検査が不可欠です。視力検査の結果だけで白内障と断定することはできません。
細隙灯顕微鏡は、目に細い光を当てて目の前方(角膜・虹彩・水晶体など)を立体的に拡大観察する装置です。白内障の有無・濁りの種類・濁りの位置・進行の程度を直接目で確認できる、診断において非常に重要な検査です。
白内障には「核白内障(中心部の濁り)」「皮質白内障(外周部の濁り)」「後嚢下白内障(後ろ側の濁り)」などいくつかのタイプがあり、タイプによって症状の出方や手術への影響も異なります。細隙灯検査によってそのタイプを把握することが、治療方針の立案につながります。
眼圧とは目の内側の圧力(眼球の張り)のことです。眼圧が高い状態が続くと視神経が障害されやすくなり、緑内障のリスクが高まります。白内障と緑内障は合併することがあるため、眼圧検査は欠かせません。
一般的に正常眼圧の目安は10〜21mmHg程度とされていますが(個人差があります)、正常眼圧でも緑内障が起こる「正常眼圧緑内障」も存在するため、眼圧の数値だけで緑内障を否定することはできません。視神経の状態を確認するOCT検査と組み合わせて判断します。
OCT(光干渉断層計)・眼底検査で網膜の状態を調べる
OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)は、網膜の断層画像を撮影できる検査機器です。手術後に視力が回復するかどうかは、網膜・特に黄斑部の状態が大きく影響します。白内障手術を検討する前に、網膜に問題がないかを確認することは非常に重要なステップです。
眼底検査では眼底カメラや細隙灯を用いて、網膜・視神経乳頭・血管などを観察します。糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜剥離などの合併症がないかを確認し、白内障手術の適応を総合的に判断します。白内障が進行していると眼底の観察がしにくくなるため、散瞳(瞳孔を開く目薬を使用する処置)を行って検査することもあります。

手術を検討するときに必要な追加検査とは?
眼軸長・角膜曲率測定:眼内レンズの度数を決める計算の基礎
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いた後に「眼内レンズ(IOL)」を挿入します。このレンズの度数が適切でないと、手術後の視力が期待どおりにならない可能性があります。そのため手術前には、眼内レンズの度数計算に必要な測定を行います。
具体的には、眼軸長(目の前後の長さ)と角膜の曲率(カーブの強さ)を測定し、適切な度数の眼内レンズを選択します。これらの測定は「Aスキャン検査」「IOLマスター」などの専用機器で行われます。測定精度が眼内レンズ選択の精度に直結するため、丁寧な計測が求められます。
コントラスト感度・グレアテスト:視力以外の「見え方の質」を調べる
視力は数値で表されますが、実際の「見え方の快適さ」は視力だけでは表せません。コントラスト感度検査は、明暗の差がはっきりしない対象物をどの程度識別できるかを測るもので、白内障ではコントラスト感度が低下することが多く、「視力は出ているのに見にくい」という患者さんに特に有用な検査です。
またグレアテストは、強い光を当てた状態での視力低下の程度を調べます。運転中に対向車のライトでまぶしくなりやすい方や、白内障の自覚症状の程度と視力検査の結果にギャップがある場合に、手術の必要性を判断するための参考になります。
単焦点・多焦点眼内レンズの違いと選択に必要な評価
白内障手術で使用する眼内レンズには、大きく「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。
✅ 単焦点眼内レンズ(保険診療)
- 保険が適用されるため費用負担が抑えられる
- 遠方または近方の一点にピントを合わせる
- 光のにじみや見え方のムラが比較的少ない
- 手術実績が豊富で多くの症例に対応できる
⚠ 多焦点眼内レンズ(選定療養)
- 遠方・中間・近方など複数距離にピントが合う
- 術後のメガネ依存度を減らすことが期待できる
- 保険診療費用にレンズ代(自費)が加算される
- 眼の状態や生活スタイルへの適合性を詳しく評価する必要がある
多焦点眼内レンズを選択する場合は、角膜の形状・黄斑部の状態・瞳孔の大きさなど、単焦点レンズの場合より詳細な検査と評価が必要になります。また多焦点眼内レンズは、角膜疾患や黄斑疾患がある場合など、適応外となるケースもあります。担当医と十分に相談しながら、自分の目の状態と生活スタイルに合わせた選択をすることが大切です。
⚠ 注意:自己判断で様子見をするリスク
白内障は自然に治ることはなく、放置すると濁りが進行します。高度に進行した白内障(成熟白内障・過熟白内障)になると、手術の難易度が上がることがあるほか、「水晶体融解緑内障」などの合併症を引き起こすリスクも高まります。見え方の変化が気になったら、早めに眼科で検査を受けることをお勧めします。
白内障の治療の流れ:検査から手術・術後まで
初診から手術決定までの一般的なステップ
白内障の治療は、いきなり手術というわけではありません。まず複数の検査で白内障の程度・眼全体の状態・他の疾患の有無を確認し、手術が適切かどうかを判断します。一般的な流れとしては以下のようなステップになります(個人差があります)。
- 初診・問診・視力検査:症状の確認と基本検査
- 細隙灯顕微鏡・眼圧・眼底検査:白内障の種類・程度・合併症の有無を確認
- OCT・その他精密検査:網膜や視神経の状態を詳しく評価
- 手術前検査(眼軸長・角膜曲率測定など):眼内レンズの度数計算
- 手術・術後管理:日帰り手術の場合は当日中に帰宅可能なケースが多い
手術前の精密検査は複数回にわたることもあり、1回の来院で完結しない場合があります。「次の来院で何を調べるのか」「どのタイミングで手術の話になるのか」を担当医に確認しておくと、安心して治療を進めることができます。
日帰り手術の仕組みとその後の通院について
白内障手術の多くは、超音波乳化吸引術という方法で行われます。濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、眼内レンズを挿入する手術で、切開部位が小さく術後回復が比較的早いとされています(個人差があります)。多くの場合、日帰りで手術が行われており、入院の必要がないことが一般的です。
術後は眼内の炎症を抑える目的で点眼薬を使い、定期的に通院して経過を確認します。日常生活への復帰時期や制限については担当医の指示に従うことが大切で、洗髪・入浴・運動・飲酒などについて術後の状態に合わせて個別に案内されます。
白内障手術(単焦点眼内レンズ・保険診療)の費用の目安は、1割負担の方で片眼約15,000〜20,000円、3割負担の方で片眼約45,000〜60,000円程度です(目安であり、実際の負担額は健康保険の自己負担割合や術式等により異なります)。多焦点眼内レンズ(選定療養)を希望される場合は、保険診療費用に加えてレンズ代(自己負担)が加算されます。詳しくは院内でご確認ください。
白内障の検査・治療に対するつまもと眼科のこだわり
広島県東広島市西条岡町にあるつまもと眼科では、地域の皆さまの目の健康に貢献することを診療の軸としています。
- ▶OCTをはじめとする各種検査機器を院内に完備:初診から術後フォローまで、院内で一貫した検査・診療を受けていただける体制を整えています。必要な検査を迅速に行うことで、診断のスピードと精度の向上に努めています。
- ▶白内障・緑内障の日帰り手術に対応:選定療養実施施設として、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術も実施しています(遠近両用・中距離用の2種から選択可能)。火曜午後を手術日として設定しています。
- ▶病気の説明と患者さんへのサポートを大切に:「なぜこの検査が必要なのか」「手術の適応はどのように判断されるのか」を丁寧にご説明し、患者さんが病気の不安とうまくつきあっていけるようサポートすることを心がけています。
- ▶全面バリアフリー・JR西条駅南口から徒歩約1分:高齢の患者さんや車いすをご利用の方にも安心してお越しいただける設計です。駐車場12台完備で、お車でのご来院にも対応しています。

白内障の検査・治療についてよくある質問
📋 この記事のまとめ
- ✅ 白内障の診断は視力検査だけでなく、細隙灯顕微鏡・眼圧・OCT・眼底検査など複数の検査の組み合わせが必要
- ✅ 視力の数値が良くても、白内障による見え方の質(グレア・コントラスト感度の低下)が問題になることがある
- ✅ 手術を検討する場合は眼軸長・角膜曲率測定など、眼内レンズの度数計算に必要な精密検査が追加で行われる
- ✅ 白内障は自然に治らないため、症状が気になったら早めに眼科で検査を受けることが大切
- ✅ 費用の目安:保険診療(単焦点レンズ)は1割負担で約15,000〜20,000円、3割負担で約45,000〜60,000円(目安)
目の見え方が気になったら、まずはご相談ください
東広島市西条岡町のつまもと眼科では、OCTをはじめとする各種検査機器を院内に完備し、白内障・緑内障の日帰り手術にも対応しています。「ささいな症状だから」と我慢せず、お気軽にご相談ください。ネット受付・土曜16時まで診療・JR西条駅から徒歩約1分。
目に不調を感じたら、ささいなことでもご相談いただければと思います。

白内障の検査は、視力検査だけで完結するものではありません。水晶体の濁りの種類・程度はもちろん、網膜や視神経の状態、眼圧、さらに手術を検討するなら眼内レンズの度数計算まで、さまざまな情報を組み合わせて初めて適切な診断と治療方針が立てられます。
大学病院勤務医として緑内障・白内障の手術を数多く経験してきた立場から、「院内でできる限りの検査をしっかり行う」ことを一番大切にしています。患者さんが安心して治療の選択ができるよう、検査結果の説明にも丁寧に向き合っていきたいと思います。ささいな見え方の変化でも、どうぞ気軽にご相談ください。